前歯が欠けたとき、レジンとラミネートベニアどちらで治療しますか?
前歯が欠けるのは、思ったより珍しくないことです。
氷をかんだとき、瓶のふたを歯で開けたとき、子どもの頭にぶつかったとき。
診察室で毎週耳にするエピソードです。
前歯が欠けたとき、患者様が最も気になるのは結局ひとつです。
レジンで簡単に済むのか、それともラミネートベニアまで必要なのか。
今日は、20年以上前歯の治療を行ってきた中で、私が実際にどのような基準で判断しているかをまとめてお伝えします。
前歯がよく欠ける理由
前歯は奥歯より薄いです。
特に先端に向かうほど薄くなり、前歯のエナメル質の厚みは部位によって約0.3〜1.1mm程度です。
先端の角はその中でも最も薄い部位のため、衝撃に弱くなるのは避けられません。
ここに歯ぎしりの習慣があったり、逆流性食道炎や炭酸飲料で歯の表面が弱くなっていたりすると、小さな衝撃でも簡単に欠けてしまいます。
一度欠けた前歯がまた欠けて来院される方が多い理由でもあります。
欠けた大きさによって治療が変わります
欠けた前歯の治療は大きく3つあります。
レジン、ラミネートベニア、クラウン。基準は欠けた大きさと深さです。
第一に、角が1〜2mmほど少し欠けた程度であれば、レジンで十分です。
当日中に終わり、費用の負担も少なくて済みます。
ただし、レジンは時間が経つと変色し、
前歯の先端は力がかかる部位のため、再び外れることがあります。
数年ごとの再治療を見込んでおく必要があります。
第二に、角が斜めに大きく欠け落ちていたり、レジンを付けても何度も脱落したりする場合です。
この場合は、ラミネートベニアが答えになります。
セラミックは変色がなく、天然歯の透明感まで再現できるため、欠ける前よりもむしろきれいになるケースも多くあります。
第三に、欠けた部分が大きく神経に近い場合です。
しみる、痛むといった症状を伴う場合は、まず神経の状態を確認し、
必要であれば根管治療の後、クラウンをかぶせる必要があります。
まとめると、次のようになります。
小さく欠けたらレジン、 目立つほど欠けたらラミネートベニア、 深く欠けたらクラウン。
もちろん、実際の判断は破折の方向や咬合まで見る必要があるため、診断が先になります。
実際の症例でお見せします
転倒して前歯が破折し、来院された患者様です。
応急でレジンを塗布しましたが何度も外れてしまい、ラミネートベニア治療のために来院されました。
レジンを除去し、破折した部分、ひびの入った部分を取り除いた状態です。
破折の大きさがかなり大きかったため、1本は3/4クラウン方式で、残りはラミネートベニアで治療しました。
写真のように隣の歯と色・透明度が自然につながると、
クラウンとラミネートベニアの見分けが難しくなり、どの歯をクラウンで治療したのかご本人も分からなくなるほどです。
鍵となるのは、隣の歯の色をどれだけ正確に再現できるかです。
欠けた前歯、放置すると起こること
欠けた断面は、エナメル質がなくなった状態です。
内側の象牙質が露出すると、しみる症状が起こり、
着色が早まり、欠けた部分を起点にひびがさらに広がる可能性があります。
すぐに痛くないからと、何か月も放置される方がいらっしゃいますが、
小さく欠けたときに治療すればレジンで済むことも、大きくなればクラウンまで必要になります。
治療の範囲が変わってしまう問題です。
よくある質問
Q. 欠けたかけらを持っていけば、また付けることはできますか?
かけらが無傷であれば、接着できる場合もあります。牛乳や生理食塩水に浸して、早めに来院してください。ただし接着部分は弱くなる可能性があるため、長期的には別の治療が必要になることもあります。
Q. 今はレジンで詰めて、後でラミネートベニアにしてもいいですか?
大丈夫です。順序として損はありません。ただし、レジンが繰り返し外れる場合は、その歯がレジンでは維持しにくい形であるというサインです。
Q. 欠けた前歯1本だけラミネートベニアにすると、目立ちませんか?
色の再現さえ正確であれば、目立ちません。むしろ健康な歯まで複数削るほうが大きな損失です。まずは1本で対応可能かどうか、診断を受けられることをおすすめします。
おわりに
前歯の欠けは、大きさによって治療がまったく変わります。
そのため、どの治療が良いかという答えよりも、ご自身の歯の状態に合った診断が先です。
欠けてから長い時間が経った歯、レジンが何度も外れる歯にも方法はあります。
カンナム・ドリーム歯科が20年の経験で丁寧に診断いたします。
この記事は、カンナム・ドリーム歯科のパク・ジョンウク院長が診療室で書いた臨床記録で、原文は院長のブログに掲載されたものです。掲載写真は院長が施術した実際の症例です。治療結果は患者様お一人おひとりの状態により異なり、いかなる施術にも個人差や副作用の可能性があります。