ラミネートベニアができない歯、こんな場合は私も止めます
「私もラミネートベニアできますか?」というのは、カウンセリングで本当によく受ける質問です。
ですが、意外かもしれませんが、私が止めるケースもかなりあります。
ラミネートベニアを20年以上手がけてきた人間が、なぜ止めるのか。
合わない歯に無理に接着すると、欠けたり外れたりして、結局また再会することになるからです。
それも、最初より悪い状態でです。
インターネットには「ラミネートベニアはやめておけ」という書き込みも多いですね。半分は合っていて、半分は間違っています。
適さない歯にしたラミネートベニアが問題を作るのであって、
適した歯にきちんと行ったラミネートベニアとは、まったく別の話ですから。
そこで今日は、どのような場合に適さないのか、
3つに分けてお話しします。
1. 本当に適さない場合、 2. 今は適さない場合、 3. そして、ラミネートベニアより他の治療のほうがよい場合。
この3つは、まったく異なります。
第一に、本当に適さない場合があります。
重度の歯ぎしり、食いしばりの習慣です。
寝ている間に歯ぎしりをする力は、日中に食べ物を噛む力よりもはるかに強いのです。
ご本人が気づいていない場合がほとんどです。
朝起きると顎がこわばっている、奥歯が平らにすり減っている、
このような方は、疑ってみる必要があります。
ラミネートベニアは薄いセラミックです。
この力を毎晩受けると、持ちこたえるのは難しくなります。
ただし、これにも条件が付きます。
程度がひどくなければ、ナイトガード(就寝中に装着する保護装置)を併用しながら進める場合もあります。
そのため、検査で歯ぎしりの痕跡が見られた場合、私はまずその程度から確認します。
前歯が逆に噛み合っている方もいます。
下の前歯が上の前歯より外側にあったり、上下がぶつかりながら噛み合ったりするケースです。
このような構造では、薄いラミネートベニアが常に力を受け続けるため、長持ちしません。
このような方には、まず矯正をお勧めします。遠回りのように見えても、それが正解であることが多いのです。
第二に、今は適さない場合です。
むし歯と歯周病です。
これは適さないのではなく、順序がある場合です。
歯茎に炎症がある状態で型を取ると、ラミネートベニアの境界線が正確に出ません。
炎症が治まるにつれて歯茎の高さが変わると、
せっかく作った境界が見えてしまうこともあります。むし歯も同様です。
むし歯の上にラミネートベニアを被せると、中でむし歯が進行し続けます。
外側はきれいでも、内側は虫食いが進んでいくのです。
ですので、順序はひとつです。
治療が先、ラミネートベニアはその後。この順序さえ守れば、ほとんどの場合は可能です。
第三に、他の治療のほうがよい場合です。
根管治療を受けた歯が代表例です。
根管治療後は、歯が徐々に暗くなり、
水分供給が絶たれることで弱くなります。
このような歯には、薄く接着するラミネートベニアよりも、全体を覆って保護するクラウンのほうが安全な場合が多いです。
ラミネートベニアができないのではなく、より良い答えが別にあるということです。
エナメル質がほとんど残っていない歯も同様です。
ラミネートベニアは、歯の表面のエナメル質に接着してこそ、しっかりと維持されます。
ところが、前歯のエナメル質は部位によって0.3~1.1mm程度と、思ったより薄いのです。
歯がひどくすり減っていたり、酸蝕が進んでエナメル質がほとんど残っていなかったりする場合は、まず接着力から見直す必要があります。
残っている歯の状態を見て、治療計画そのものを新たに設計し直さなければならない場合です。
では、自分が適応するかどうかは、どうすれば分かるのでしょうか?
結局は、診断です。
上下の歯の噛み合わせ方、歯茎の状態、残っているエナメル質の量。
この3つを確認せずに接着するラミネートベニアが、もっとも危険です。
反対に、これらをすべて確認してから始めれば、ラミネートベニアは長く使える治療です。
カウンセリングを受けに行ったのに、歯をきちんと診ることもなく「全部できます」という答えがまず返ってくるようなら、
私はむしろ、そのほうが心配です。
適さない場合をまず見極めること。それこそが、カウンセリングの本当の目的だからです。
パク・ジョンウク / ラミネートベニア診療20年余り、国内ラミネートベニア関連書籍の執筆。
この記事は、カンナム・ドリーム歯科のパク・ジョンウク院長が診療室で書いた臨床記録で、原文は院長のブログに掲載されたものです。掲載写真は院長が施術した実際の症例です。治療結果は患者様お一人おひとりの状態により異なり、いかなる施術にも個人差や副作用の可能性があります。