欠けた歯のラミネートベニア、逆流性食道炎で侵食された歯も残せます
こんにちは。狎鴎亭(アックジョン)のカンナム・ドリーム歯科、パク・ジョンウク院長です。
今日は、特別な症例をご紹介します。
逆流性食道炎によって侵食された歯を、削らない(ノンプレップ)ラミネートベニアとサンドイッチテクニックで解決したお話です。
逆流性食道炎が歯を壊します
逆流性食道炎は、胃酸が食道へ逆流する疾患です。
ところが、これが歯にも深刻な影響を及ぼします。
胃酸は強い酸性(pH 1-2)です。
この酸が口の中に上がってくると、歯を溶かします。
特に歯の内側(口蓋側)がひどく侵食されます。
夜寝ている間に胃酸が逆流し、歯の裏側を溶かし続けるためです。
まるで欠けた歯のように見えることもあります。
「矯正後にラミネートベニアをしたいです」
今回の患者様は、矯正後のラミネートベニアのために来院されました。
矯正で歯並びは整いましたが、歯がひどく侵食されていました。
逆流性食道炎を長く患っていらっしゃったとのことです。
写真1は、初診時の写真です。
正面から見ると、歯が不揃いで、欠けているように見えます。
色も暗くくすんでいます。
写真2は、口蓋側から見た様子です。
本当に衝撃的です。
口蓋側面まで、歯がひどく侵食されているのが分かります。
歯の裏側がでこぼこして溶けています。
クラウン? 削る量が多すぎます
他の歯科医院では、いずれもオールセラミッククラウンを勧められたそうです。
なぜそうだったのでしょうか?
歯の裏側まで侵食されているため、全体を覆うクラウンが必要だと考えられたのです。
しかし、クラウンは切削量が多すぎます
オールセラミッククラウンは1.5〜2mmを削る必要があります。
すでに侵食によって歯が大きく損傷した状態です。
ここからさらに1.5〜2mmを削ると、歯がほとんど残りません。
「それでは歯の切削量が増えすぎてしまいます。」
私はこれがとても残念でした。
もっと良い方法があります。
サンドイッチテクニックで解決します
口蓋側まで解決する必要があったため、サンドイッチテクニックを使用することにしました。
サンドイッチテクニックとは?
歯を前後から2枚のラミネートベニアで包む方法です。
前側(頬側)にラミネートベニア1枚、後ろ側(口蓋側)にラミネートベニア1枚。
まるでサンドイッチのように歯を保護します。
なぜサンドイッチテクニックを使うのでしょうか?
最小限の切削で歯を保護できます。
クラウンのように1.5〜2mmを削る必要がありません。
削らない(ノンプレップ)または最小限の切削で、欠けた部分だけを整えればよいのです。
口蓋側の侵食部位も完璧にカバーできます。
精密診断で計画を立てます
写真3、4は、ワックスアップのための分析とワックスアップ精密診断の結果です。
分析段階
歯の侵食の程度を精密に分析します。
どこまでカバーすべきか?
頬側と口蓋側のラミネートベニアの境界をどこにするか?
歯の形はどのようにデザインするか?
ワックスアップ診断
最終的な形をあらかじめ作ってみます。
頬側のラミネートベニアの形を設計します。
口蓋側のラミネートベニアの範囲を決定します。
2枚のラミネートベニアが接する箇所を精密に計画します。
仮歯であらかじめ確認します
写真5は、仮歯で歯の変化を確認する過程です。
ワックスアップをもとに仮歯を作り、実際に装着してみます。
患者様ご自身が鏡を見ながら確認します。
大きさは適切か?
形は自然か?
口蓋側のラミネートベニアに違和感はないか?
十分にご相談しながら調整します。
最小限の切削のみを行います
写真6は、歯の形成過程です。
鋭すぎる部分と欠けた部分に対して、最小限の切削のみを行いました。
鋭く突き出た部分を滑らかに整えます。
欠けた部分の鋭い角を整えます。
クラウンのように1.5〜2mmを削るわけではありません。
最小限に、必要な部分だけを精密に削ります。
歯を最大限保存します。
口蓋側のラミネートベニアから作ります
写真7は、口蓋側のラミネートベニア製作です。
サンドイッチテクニックは、順番が重要です。
口蓋側のラミネートベニアを先に作ります。
侵食された歯の裏側を完璧にカバーするようデザインします。
頬側のラミネートベニアと接する部分を精密に設計します。
写真8、9は、口蓋側のラミネートベニアの接着過程です。
まず口蓋側のラミネートベニアを接着します。
精密に位置を合わせます。
完璧に接着します。
これで歯の裏側が保護されました。
頬側のラミネートベニアで仕上げます
写真10は、頬側のラミネートベニア製作です。
続いて、前側のラミネートベニアを作ります。
口蓋側のラミネートベニアと正確に噛み合うように製作します。
自然な形と色でデザインします。
透明感と色のグラデーションを再現します。
治療後、完璧な回復
写真11、12、13、14は、治療後の様子です。
自然に、きれいに仕上がりました。
形が美しいです
欠けて侵食されていた歯が、自然で上品な形に変わりました。
それぞれの歯に、繊細なディテールが生きています。
色が明るく自然です
暗くくすんでいた色が、明るく生き生きとした色に変わりました。
透明感が美しく再現されました。
口蓋側も完璧に保護されます
侵食されていた歯の裏側が完璧にカバーされました。
これで胃酸が逆流しても、歯が保護されます。
歯の切削を最小限に抑えました
クラウンにしていたら、1.5〜2mmを削ることになっていたはずです。
しかし、サンドイッチテクニックで最小限の切削だけにとどめました。
健康な歯を最大限保存しました。
逆流性食道炎の患者様は、こうしてください
逆流性食道炎による歯の侵食でお悩みでしたら、こうしてください。
逆流性食道炎の治療が優先です
歯の治療の前に、まず逆流性食道炎を治療してください。
胃酸の逆流が続くと、歯は侵食され続けます。
内科での治療を並行して受ける必要があります。
必ずしもクラウンが答えとは限りません
口蓋側まで侵食されているからといって、必ずしもクラウンにする必要はありません。
サンドイッチテクニックで、最小限の切削で解決できます。
精密診断をご依頼ください
ワックスアップ診断で、頬側と口蓋側のラミネートベニアを精密に計画する必要があります。
仮歯であらかじめ確認する過程も欠かせません。
経験豊富な歯科医院を選んでください
サンドイッチテクニックは高難度の技術です。
2枚のラミネートベニアを精密に製作し、接着する必要があります。
20年以上の臨床経験がある歯科医院を選んでください。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. サンドイッチテクニックは外れやすくありませんか?
A. いいえ。適切に製作・接着されれば、10年以上安定してお使いいただけます。頬側と口蓋側のラミネートベニアが互いを支え合うことで、むしろより安定する場合もあります。
Q2. 逆流性食道炎を治療せずに、ラミネートベニアだけ行うことはできませんか?
A. 胃酸の逆流が続くと、ラミネートベニア周辺の歯や歯茎が損傷を受け続けます。必ず内科の治療を並行して受ける必要があります。ラミネートベニアはすでに損傷した部分を回復させるものであり、再発の防止には逆流性食道炎の治療が鍵となります。
Q3. クラウンとサンドイッチテクニック、どちらが良いですか?
A. それぞれに長所短所がありますが、歯の保存という面ではサンドイッチテクニックが優れています。クラウンは1.5〜2mmの切削が必要ですが、サンドイッチテクニックは最小限の切削で可能です。精密な診断を通じて、ケースに合った最適な方法を選ぶことが重要です。
本コラムは、狎鴎亭(アックジョン)のカンナム・ドリーム歯科、パク・ジョンウク院長の実際の臨床経験をもとに作成されています。20年にわたり審美治療を行い、ラミスタ・アカデミーで毎月、歯科医師の先生方にサンドイッチテクニックを含む高難度のラミネートベニア技法を講義しています。韓国国内で最初のラミネートベニアの教科書を出版しています。
この記事は、カンナム・ドリーム歯科のパク・ジョンウク院長が診療室で書いた臨床記録で、原文は院長のブログに掲載されたものです。掲載写真は院長が施術した実際の症例です。治療結果は患者様お一人おひとりの状態により異なり、いかなる施術にも個人差や副作用の可能性があります。