前歯のオールセラミッククラウン再治療:変色と歯茎の露出への対応
こんにちは。狎鴎亭(アックジョン)で20年間、審美治療を行ってきたカンナム・ドリーム歯科のパク・ジョンウク院長です。
本日は、前歯のオールセラミッククラウンの変色と歯茎の露出という問題を、
オールセラミッククラウンの再治療で解決した症例をご紹介します。
前歯の変色やクラウンの変色でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。
右側の前歯のクラウンが暗く、灰色に見えます
今回の患者さんは、右側の前歯にオールセラミッククラウンが入った状態で来院されました。
問題は、このクラウンがほかの歯に比べて暗く、灰色がかって見えることです。
周囲の天然歯は明るい色ですが、クラウンだけが際立って暗く濁っています。
灰色がかっているため、まるで失活した歯のように見えます。
さらに歯茎が下がり、歯茎側の歯が見え始めていました。
歯茎のラインの下から歯の色が透けて見え、境目が目立っています。
患者さんは「笑うたびにこの歯だけが目立ってストレスです」と話され、「一本の歯のオールセラミッククラウンをやり直すために来院しました」とおっしゃいました。
治療前は、問題が明確です
写真1は初診時の写真です。
右側中切歯のオールセラミッククラウンが、周囲の天然歯とは明らかに異なります。
暗く灰色がかった色
クラウンの色が暗くなっています。
周囲の歯は明るい象牙色ですが、クラウンだけが暗く濁っています。
灰色がかっているため、生気がないように見えます。
まるで根管治療を受けた歯が変色したように見えます。
歯茎の退縮と歯の露出
歯茎が下がり、クラウン内側の歯が見え始めています。
歯茎のラインの下から、暗い歯の色が透けて見えます。
クラウンと歯の境目が目立っています。
これにより、さらに不自然で人工的に見えます。
クラウンを外して分かった、惜しまれる点
写真2は、クラウンを外した後の状態です。
既存のクラウンを慎重に外しました。
ところが、惜しまれる点が見つかりました。
ポストが入っている歯
歯の中に支柱が入っている方法でした。
根管治療後、ポスト(金属製の支柱)を歯の内部に挿入した状態でした。
このポストによって、歯が暗く変色していました。
歯の変色は解決できません
残念ながら、歯自体が暗いことは解決できません。
ポストが入った歯は、一般的なホワイトニングでは明るくなりません。
歯の内部にあるポストと変色が原因だからです。
本当に惜しまれます。
しかし、新しいクラウンでこの暗い歯を完全に覆い隠すことができます。
ジルコニアクラウンで色を遮断
ポストによって変色した歯を覆うには、ジルコニアクラウンが必要です。
ジルコニアは不透明度が高いため、下にある歯の暗い色を効果的に遮断します。
ベースキャップの試適過程
写真3は、ジルコニアクラウンを製作する中間過程として、ベースとなるキャップを合わせてみる工程です。
まずジルコニアのベースキャップを作り、歯に装着してみます。
この過程で二つの点を確認します。
第一に、歯の色が効果的に遮断されているかを確認します。
ベースキャップが、暗い歯の色をしっかり覆っているか確認します。
色が透けて見える場合は、ベースをさらに不透明になるよう調整します。
第二に、歯にきちんと合っているかを確認します。
キャップが歯に正確に適合しているか、辺縁が歯茎のラインにきちんと合っているかを確認します。
このベースキャップの上に審美用の陶材を築盛し、最終的なクラウンを完成させます。
装着前の最終確認
写真4は、装着前に軽く載せている状態です。
完成したオールセラミッククラウンを接着(ボンディング)する前に、最後の確認を行う過程です。
色が周囲の天然歯とよく調和しているか確認します。
形が自然で適切か確認します。
辺縁が歯茎のラインに正確に合っているか確認します。
患者さんも鏡をご覧になりながら、「色が本当に自然です」と満足されました。
すべてが完璧であることを確認できたら、最終的な接着(ボンディング)を行います。
治療完了、完璧な調和
写真5、6、7は、治療完了後の状態です。
本当に驚くほどの変化です。
自然な色
暗く灰色がかっていたクラウンが、明るく自然な色に変わりました。
ほかの天然歯と非常によく調和しています。
周囲の歯と色が完全に一致しています。
どれがクラウンなのか、まったく見分けがつきません。
歯の先端の透明感
新しいクラウンでは、歯の先端の透明感も再現しました。
天然歯のように、歯の先端がわずかに透けています。
光が通ることで自然な印象を与えます。
歯茎のラインとの完璧な調和
歯茎のラインとクラウンの境目が完璧に合っています。
暗い歯の色が透けて見えることは、もうありません。
歯茎側も自然ですっきりしています。
立体感と形
新しいクラウンの表面には、繊細な凹凸と特徴があります。
平面的ではなく、立体的です。
天然歯の発育葉と表面の質感が再現されています。
治療前後の比較、劇的な違い
写真8は、治療前後の比較です。
違いは本当に劇的です。
治療前は、暗く灰色がかったクラウンがはっきりと目立っていました。
歯茎が下がり、暗い歯が露出していました。
周囲の天然歯とはまったく調和していませんでした。
治療後は、明るく自然なクラウンに変わりました。
周囲の歯と完璧に調和しています。
どれがクラウンなのか、まったく分かりません。
歯茎のラインもすっきりと自然です。
患者さんは「鏡を見るたびに満足しています。これで自信を持って笑えます」と話され、本当に喜ばれました。
オールセラミッククラウンの変色は、なぜ起こるのでしょうか?
クラウンの変色や前歯の変色には、さまざまな原因があります。
歯自体の変色
根管治療を受けた歯は、時間の経過とともに変色します。
ポストが入った歯は、さらに暗く変色します。
この暗い色がクラウン越しに透けると、クラウンが暗く見えます。
クラウンの材料による問題
透明度の高いクラウンは、下にある歯の色が透けて見えます。
変色した歯に透明なクラウンを装着すると、暗く見えます。
歯茎の退縮
時間の経過とともに、歯茎が下がることがあります。
歯茎が下がると、クラウン内側の歯や金属が露出します。
これが暗く見える原因になります。
不適切なクラウン設計
クラウンの不透明度が十分でなければ、変色を遮断できません。
色の選択が適切でなければ、周囲の歯と合いません。
一本だけの再治療でも大丈夫です
「一本だけやり直すと、色が合わないのではないでしょうか?」
今回の症例のように、一本の歯のオールセラミッククラウンだけを再治療しても、完璧に自然な見た目にできます。
精密な色の分析と熟練した技術があれば、一本だけでも周囲の歯と完璧に合わせることができます。
もちろん、ほかの歯も色や形に満足できない場合は、同時に治療することで、より良い結果につながります。
しかし、問題があるのが一本だけなら、その歯だけを再治療しても十分に自然な結果を得られます。
よくあるご質問 (Q&A)
Q1. ポストが入った変色歯も、明るく見せることができますか?
A. はい、可能です。歯自体はホワイトニングできませんが、
ジルコニアベースで暗い色を遮断し、
その上に明るい陶材を築盛すれば、完璧に明るく自然な見た目にできます。
Q2. 歯茎が下がると、また歯が見えてきませんか?
A. クラウンの辺縁位置を適切に設定し、
歯茎の健康をきちんと管理すれば問題ありません。
定期的なスケーリングと正しい歯磨きが重要です。
Q3. 一本だけ再治療すると、色が合わないのではないですか?
A. 精密な色の分析と熟練した技術があれば、
一本だけでも完璧に合わせることができます。
今回の症例のように、周囲の歯とまったく見分けがつかないようにできます。
本記事は、狎鴎亭(アックジョン)で20年間、審美治療を行ってきた歯科医師の実際の臨床経験に基づいて作成しました。ラミスタ・アカデミーでは毎月、歯科医師の先生方にオールセラミッククラウンの技法を講義しており、韓国初のラミネートベニア教科書を出版しました。
この記事は、カンナム・ドリーム歯科のパク・ジョンウク院長が診療室で書いた臨床記録で、原文は院長のブログに掲載されたものです。掲載写真は院長が施術した実際の症例です。治療結果は患者様お一人おひとりの状態により異なり、いかなる施術にも個人差や副作用の可能性があります。